GADHA変容プログラム初級レポート#3

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本記事の目的と構成

本記事は、GADHAが提供する加害者変容プログラムに関心のある方が持つであろう、

  • どんな人が参加するんだろうか
  • プログラムでは何をするんだろうか
  • 自分はこれを受けたら変われるんだろうか

といった疑問に応え、今後のプログラム参加を検討できるように情報を提供することを目的とした「GADHA 加害者変容プログラムとは何か」のシリーズ記事となります。

他記事や加害者変容プログラム自体に関心のある方は、こちらの記事をご覧ください。

初級プログラム参加者の方々による座談会を開催しました。その様子はこちらからご覧ください。GADHA変容プログラム初級参加者座談会

プログラムの構成

プログラムは5つの要素によって構成されています。それらの順に従って、会の様子をレポートします。

チェックイン

チェックインでは、この1週間で感じていたこと、起きたこと、パートナーとの関係などを形式不問で自由に共有します。

「何か言ったら喧嘩になるんじゃないかと思って、あんまり上手に話せず、チグハグした空気でした。正直、あんまりいい雰囲気ではなかったです」

「自分が息を吸うように加害するということがわかった。加害っぽいことを言ってしまった時に、今やってしまった? と聞くと、頷かれてしまった。でも、自分が加害していることに自覚できて、ひとまず成長かな、と…」

「昔の話を持ち出されて、カッと来たのだけれどいけないいけないと冷静になり、落ち着いて返事をすることができた。本当によかった」

というように、一週間の状況を共有しあいました。全体として、自分の加害性に自覚的になり、やってしまってもすぐに気づけたり、やりそうになって未然に防いだりができるようになったという報告が多かったです。

「何が加害なのか」わからないからこそ加害してしまう。自分の加害に自覚的になれば、それを防ぐことが可能だと信じています。

ホームワーク×ケーススタディ

続いて、ホームワークをシェアして、それに対して考えや感想をシェアしていきます。

GADHA変容プログラム初級レポート#2でみなさんに共有したのは「パートナーからの手紙を書く」というホームワークです。

想定質問は「内的他者問答法」のような形で、パートナーにDV・モラハラ被害について語ってもらうインタビューの質問項目のようになっています。例えば以下のような質問です。

  • 結婚当初、あなたはどんな家庭を夢見ていましたか?
  • 夫の加害を最初に体験したのはいつですか?
  • 大切にしてくれるはずの人に脅かされ、恐怖を抱くのはどのような気持ちですか?
  • 警察に話をしたり、離婚を告げたり、家を出たりするのは、どのくらい大変でしたか?

この手紙をケースとして用いて、ケーススタディを行ないます。他の参加者から異なる視点を共有されたり、「わかるわかる」と同意を受けたり、「もしかしてこうなんじゃないか?」というような考えがシェアされたりします。

具体例として、1人の手紙を紹介させていただきます。こちらから手紙の本文をご覧ください。

パートナーの視点に立って自分の加害を見つめ、パートナーの口調で手紙として書くという今回のホームワークは、すべての参加者が「これは辛い…」と感想を述べていました。

それもそのはず、全員真剣に書けば書くほど、相手がこれまで送ってきてくれたLineや、言葉を振り返り、思い出し、自分の行動を記述すると、プログラムで学んでいるからこそ、自分の身勝手さ、恐ろしいほどの加害性、相手を蔑ろにしていたことを思い知るからです。

しかも、自分の視点ではなくパートナーの視点に立って書くということは、当然ながら自分の行動を記述するにとどまらずそれがいかにパートナーを傷つけたのか、パートナーはどんな孤独や後悔や不満や絶望を味わったのかを書くということです。

加害者には4つの責任がありますが、その1つが「被害者の傷つきを理解する責任」です。今回のワークはそのための重要なステップでした。

レクチャー×ディスカッション

続いてレクチャーです。加害者変容理論でまとめている内容を読んでいただいている前提で、さらに踏み込んだ最新の知識を紹介します。

そこでは具体例を大量に使い、可能な限り参加者の加害パターンなども引き合いに出しながら、理解しやすい形でお伝えします。

GADHA変容プログラム初級#2では幸福/不幸な関係を作る「言動」について。今回は、今回はそれを支える信念についてのレクチャーです。

具体的には不幸な関係を作る「解釈強要」と、幸福な関係を作る「共同解釈」の背景には、どんな根本的な信念が隠れているのでしょうか。

プログラムを2回受けてみて、ホームワークなどを通して何度も自分の内面、今まであまり内省する機会のなかった「(おそらくは手放すべき、加害を生み出してしまうような)価値観そのもの」を共有してもらいます。

プライバシーの関係でここでは載せませんが、表現の仕方は違えど共通するところがかなり多く、これらの信念とどう向き合っていくのか、というのが加害者変容の主眼であるということがよくわかります。

これらは参加してくださっている加害者全員に共通する考え方です。

そしてこの信念とは、赤ちゃんの時には持っていなかったもの。育っていく中で、身につけてしまったもの。だからこそ、それを手放すこともできます。

誰よりも自分自身を振り回し、他者を傷つけることを通して自らも不幸になってしまう、そんな非機能的な信念だということに、参加したみなさんは十分に気づいています。

いよいよ次回は「なぜそれを学んでしまったのか」「どうすれば手放せるのか」に向かっていきます。初級プログラムも最終回になります。

ホームワークの説明

端的に言って、ほぼ全ての加害者が親から加害を受けてきたと考えています。それはわかりやすい物理的な暴力やネグレクトなどに限りません。GADHA加害者変容理論で何度も語ってきたように、加害とは「解釈強要」です。

そして親から与えられた愛と解釈強要は別です。この分離がちゃんとできないと、親を否定することは親の全人格を否定することだと、そして親を否定することは自分を否定することだと勘違いしてしまいます。

それがある限り、いくら加害信念を理解したつもりになっても、それを学習棄却、アンラーニング、脱学習できません。その鎖、荷物、呪いから自分を解放するために、まずは親にされてきた解釈強要をよく振り返る必要があります。

ただし、最終目的はあくまで加害者の信念の変容、愛ある関係能力の獲得、被害者が減ることであり、親との直接対決や親の変容は意図していません。

詳細は次回のレポートをご覧ください。

チェックアウト

最後に今回のプログラムに参加して、胸の中にある感情や考えをシェアするのがチェックアウトです。

「ホームワークはとてもしんどいが、これがあるからこそプログラムの意味があるんだと思う。このプログラムを終えた後に、ちゃんと内省・反省することができるのかどうか不安です」

「プログラム当日が楽しみというか、不思議な気持ちになる。勇気が湧いてくるというか、ホームワークはしんどいんだけど、変わっていくためのエネルギーをもらいながら頑張れる感じがする」

「プログラムで言われている通り、信念よりも先に言動を変えることで、関係にいい変化が生まれた。本当に嬉しいし、続けていきたい」

と感想をいただきました。

まとめ

以上がGADHA加害者変容プログラム初級第3回のレポートとなります。本記事は、GADHAが提供する加害者変容プログラに関心のある方が持つであろう、

  • どんな人が参加するんだろうか
  • プログラムでは何をするんだろうか
  • 自分はこれを受けたら変われるんだろうか

といった疑問に応え、今後のプログラム参加を検討できるように情報を提供することを目的とした「GADHA 加害者変容プログラムとは何か」のシリーズ記事となります。

他記事や加害者変容プログラム自体に関心のある方は、こちらの記事をご覧ください。

現在、来月の初級プログラム参加者を募集しています。日程は3名以上希望者が集まった時点で調整を開始します。ぜひお気軽にご連絡くださいませ。

終わりに

G.A.D.H.A(Gathering Against Doing Harm Again:ガドハ)は、大切にしたいはずのパートナーや仲間を傷つけたり、苦しめたりしてしまう「悪意のない加害者」が、人との関わりを学習するためのコミュニティサービスです。

当事者コミュニティとイベントの運営加害者変容理論の発信トレーニングなどを行い、大切な人のために変わりたいと願う「悪意のない加害者」に変容のきっかけを提供し、ケアのある社会の実現を目的としています。

当事者コミュニティやトレーニングに関するお問い合わせはこちらから。

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