GADHA変容プログラム初級レポート#1

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本記事の目的

本記事は、GADHAが提供する加害者変容プログラムに関心のある方が持つであろう、

  • どんな人が参加するんだろうか
  • プログラムでは何をするんだろうか
  • 自分はこれを受けたら変われるんだろうか

といった疑問に応え、今後のプログラム参加を検討できるように情報を提供することを目的とした「GADHA 加害者変容プログラムとは何か」のシリーズ記事となります。

他記事や加害者変容プログラム自体に関心のある方は、こちらの記事をご覧ください。

初級プログラム参加者の方々による座談会を開催しました。その様子はこちらからご覧ください。GADHA変容プログラム初級参加者座談会

プログラムの構成

プログラムは5つの要素によって構成されています。それらの順に従って、会の様子をレポートします。

チェックイン

チェックインでは、この1週間で感じていたこと、起きたこと、パートナーとの関係などを形式不問で自由に共有します。

「わざわざ有償プログラムに参加していなければ、忙しくてとても自分とパートナーのことについて考える時間がなかった」とか、

「パートナーとの関係はイマイチで、今日は少し重たい気持ちで参加している」など、それぞれの感情や考えのシェアをしていきます。

ホームワーク×ケーススタディ

続いて、ホームワークをシェアして、それに対して考えや感想をシェアしていきます。

Kick-Off MTGでみなさんに共有したのは「手紙ワーク」です。事前にGADHAの記事を読んだ上で、800-4000字程度の手紙を、被害者の方向けに書いてきていただきました。

必ずしも手紙を渡す必要があるわけではないのですが、これを書くことを通して

  1. 自分と相手の感情や考えについて、丁寧に言葉を選ぶ時間を持つこと
  2. 自分の行為をどう捉えているのかをみんなで共有すること

が目的でした。

1.それぞれが手紙を読み上げ、2.書いている時の心情をシェアし、3.他の人が感想をシェアします。

書いている時の心情で多かったのは、「書いて客観的に読むことで、いかに自分のした行為が加害的だったかを思い知り、正直かなりキツかった」というものです。

それもそのはず。閉じた家庭の中でしてきた加害行為の多くは、とても人には話せないようなことばかりです。

誰かに自分の加害を話すこともほとんどなく、もしあっても、そのような加害が「夫婦なんてそんなもの」「よくやった」と言われるような場面で、やや誇張したり、逆に矮小化した上で人に話したことしかなかったはずです。

自分の加害性とまっすぐ向き合い、それを言葉にし、加害性と向き合う場でそれをシェアするということは、強い不安感や恥の感情、苦しみを覚えたはずです。

一方で、ここにいる人はみな加害者。単純に断罪などできる人は(ファシリテーターである私も含めて)一人もいません。その弱さ、醜さも含めて受け止め、しかし変わりたいと思う人たちの集まりです。

これまで誰にも話せなかったことを共有し、受け止められる。そのような機会や時間が、自分たちの加害性と向き合うための大事な「支え」になると感じます。

初回なので、今回はあまり踏み込めませんでしたが、今後はこれまでのレクチャーをベースに「ここで書かれていることはつまりどういうことか」「何がこの加害的言動の背景にあるのか」「ではどうすればよかったのか」といったことを一緒に分析していきます。

レクチャー×ディスカッション

続いてレクチャーです。加害者変容理論でまとめている内容を読んでいただいている前提で、さらに踏み込んだ最新の知識を紹介します。

そこでは具体例を大量に使い、可能な限り参加者の加害パターンなども引き合いに出しながら、理解しやすい形でお伝えします。

(幸福についてのスライド)

(脆弱な人間という前提に基づく、幸福な関係)

今回は理論全体の大枠と、特に「幸福/不幸な関係」とはどのようなものかについてシェアしました。

そもそも幸福や不幸とはなにか。それはパートナーとの関係においてどう言う意味を持つのか。

人間ってどういう存在なのか、その前提に立ったら、一体何が「配慮」で何が「加害」なのか。

抽象度の高い話から、具体的な加害的な言動がどのようなものかといった例示も行います。

「理想は分かったけど、じゃあその理想ができるようになるにはどうしたら良いのか?」

「男尊女卑な考え方を手放すことはできるんだろうか?」

「自己肯定感が高いと思ってきたけれど、実は高くないのかもしれない」

「自分を受容するって、結局どういうことなんですかね??」

矢継ぎ早に様々な質問が飛び交い、それについてお応えすると、また別の方が「自分にもこういう体験があった」と話が展開し、非常に盛りだくさんな内容となりました。

こういうことを真剣に話すための素材(GADHAの変容理論)や、関係、場を持つことはほとんどの人にとって困難ではないでしょうか。

レクチャー×ディスカッションは、このプログラムが提供できる、非常に重要な価値だと考えます。本や記事を読んだり動画を見るだけでは得られない、深く双方向的な学びがあります。

ホームワークの説明

ここでは、次回に向けたホームワークの概要や目的を共有します。今回は「氷山モデル」をイメージした加害行動分析ワークを行います。

詳細は次回のレポートをご覧ください。

チェックアウト

最後に今回のプログラムに参加して、胸の中にある感情や考えをシェアするのがチェックアウトです。

初回となる今回の感想は、大きく3つありました。

1つ目は、そのしんどさです。グサグサと自分の未熟さ、改善できる点、取り返しのつかない加害と向き合うことは、とても辛いことです。

これから変われるかもしれないと言われても、やはり精神的負担は大きく、疲れた…というコメントは多かったです。

2つ目は、その内容の濃さです。本質的には1つのことについて話しているとはいえ、トピックは多岐に渡り、私が数年間学び続けてきた内容を圧縮したものですから、一度に吸収し切れるものではありません。

全ての回は録画しておき、それをアーカイブとして共有しているので「ゆっくり見直したい」という声もありました。

自分のこれまで積み重ねてきた信念が変わるような内容です。簡単に「よしわかった」と言えるような内容では却ってわかりやすすぎて怪しいでしょう。

最後は、変容可能性への期待です。初回のしんどさ(疲労感)、価値のある学びをしている感覚を持って、何か自分の中での変化の兆しを感じているという声がありました。

変容は長い旅であり、贖罪の道です。しかし、自分自身が変容してきたからこそ言えることですが、愛とケアに基づく「くつろいだ関係」を持てた時の幸福は、筆舌に尽くし難いものがあります。

アルコール依存症も急激に改善され、家に帰るのが楽しみで、なによりパートナーからも楽しみにしてもらえる。自分が嬉しいと、パートナーも喜んでくれる。その逆も然り。つまずきがあっても、それを話し合って、納得して次に向けて進める。

そんな未来に向けて頑張っていけるように、僕としても全力で支援していきます(もちろん、別れが二人にとってベストであることもあり、別離をマイナスと捉えるわけではありません)。

まとめ

以上がGADHA加害者変容プログラム初級第1回のレポートとなります。本記事は、GADHAが提供する加害者変容プログラムに関心のある方が持つであろう、

  • どんな人が参加するんだろうか
  • プログラムでは何をするんだろうか
  • 自分はこれを受けたら変われるんだろうか

といった疑問に応え、今後のプログラム参加を検討できるように情報を提供することを目的とした「GADHA 加害者変容プログラムとは何か」のシリーズ記事となります。

他記事や加害者変容プログラム自体に関心のある方は、こちらの記事をご覧ください。

現在、来月の初級プログラム参加者を募集しています。日程は3名以上希望者が集まった時点で調整を開始します。ぜひお気軽にご連絡くださいませ。

終わりに

G.A.D.H.A(Gathering Against Doing Harm Again:ガドハ)は、大切にしたいはずのパートナーや仲間を傷つけたり、苦しめたりしてしまう「悪意のない加害者」が、人との関わりを学習するためのコミュニティサービスです。

当事者コミュニティとイベントの運営加害者変容理論の発信トレーニングなどを行い、大切な人のために変わりたいと願う「悪意のない加害者」に変容のきっかけを提供し、ケアのある社会の実現を目的としています。

当事者コミュニティやトレーニングに関するお問い合わせはこちらから。

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