積極的な加害は少なくなりましたが、部屋に閉じこもったり、無視してしまいます。

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はじめに

本記事は、「変わりたい」と願う加害者の集まるGADHAのslackで交わされた3万通もののメッセージや、プログラム参加者によるGADHA理論への質問と回答をベースに作られた「よくある質問と回答」になります。

 

よくある質問

モラハラ発言やDVのような積極的な加害は少なくなりましたが、問題点を指摘されると感情のコントロールが難しくなるため、部屋に閉じこもることや無視することがあります。これも加害なのでしょうか?

 

回答

結論としては、質問者さんの行為は「受動的な加害」に当てはまると言えます。受動的な加害とは、無視・(相手に心配させるような)落ち込み・ニーズの無視などが含まれます。問題点を指摘されている時には、相手がニーズを持っていて、自分がそれをケアできていない(ケアの欠如)と考えるのが実用的です。確かに問題点を指摘されて、傷つくことや弁解したくなることは誰にでもありますが、自分の正しさを説明することはケアには繋がりません。まずは相手のニーズを知り、それに応えられるように努力することが大切です。

また、「部屋に閉じこもってしまった」「無視してしまった」その後の行動がむしろ重要です。冷静になってから現象を振り返ってケアへと向かっていくなら、相手からすれば「落ち着きたかったんだな」と思える一方、そうせずに何もなかったように振る舞うのならより一層の傷付きを覚えます。加害は波が去って終わりではありません。一方的に終わりにするのではなく、不完全ながらもケアへ向かっていく努力が必要です。

そもそも問題点を指摘された際に感情のコントロールができなくなる背景には、意図の先読みがあるかもしれません。相手からすると、単に意見として発した言葉でも、それを悪意があるように解釈しているケースも少なくありません。信頼を基盤とした人間関係を構築するために、意図を先読みせず、もし怒りを感じそうになったら俯瞰して出来事を見つめ、コミュニケーションするよう心がけてみましょう。

 

おわりに

本記事は、あくまで「形式的な」知識です。実際に使ってみて、間違っていたら学び直すためには、GADHAのコミュニティ(無料)やイベント(無料)、プログラム(有料)に参加することを推奨します。ぜひこちらの「GADHAの活動」ページをご覧ください。「よくある質問と回答」コンテンツは一部の公開のみを行っていますが、マンスリーサポーター(MS)の方は全てにアクセスすることが可能です。また、MSの方が増えるほど、無償で公開する範囲を増やすことができます。コンテンツに関心のある方や、GADHAを応援してくださる方は、ぜひMS制度の詳細をご覧ください。

 

Key words: 受動的な加害, ニーズの無視, 落ち込み, 被害的に捉える