『それでも話し始めよう』加害者の学びの手紙1

概要

GADHAは「手紙を書く読書会」を開催しています。本記事は、「相手を尊重したコミュニケーション」について課題図書:アン・ディクソン『それでも話し始めよう』(クレイン,2006)を読んで書いた手紙を、許可を得て掲載しています。

他の感想文はこちらからご覧ください。

目的

自分も変わりたいと願う加害者の方々が「一体何から読んだらいいんだろう?」と考えた時に、膨大な参考文献を紹介するだけでは不十分だと考えました。

たくさんの本の中でも本当に重要で必須の知識、しかも実用的で役に立つものを選書し、しかも読むだけではなく書くことを前提とすることで理解の程度を深め、さらに読書会で人と感想や考えをシェアすることを通して定着する。

パートナーとの関係をよくしていくために、行動を変えることがもちろん重要ですが、その前提となる知識をきちんと学べるようにするために手紙を書く読書会を開催しています。

さらに、それを手紙として公開すれば、これから学びたい人にとっても何かの参考になると考えています。

本文

 私はあなたと生活を始め1年半、あなたから話が通じない、理解してもらえない、自己中心的になっていると何度も訴えられているにも関わらず、謝罪行為だけで精一杯になり具体的にどうすれば良いのか、行動を考えることが全くできていません。

 相手の伝えたいこと・分かってもらいたいことは何なのかと注意深く聞いたり、コミュニケーションの中で相手を馬鹿にするような態度を取らないようにするためにはどうしたら良いのか、あなたや家族に教えていただき、自身と相手を大切にし誠実で対等・率直なコミュニケーションをとるアサーションというものを知ることができました。そして今回、このような本に出会い、手紙をしたためる機会がありましたので、今後どうしていけば良いのか、自身の考えを綴らせていただきます。

 この本では、アサーティブなコミュニケーションをとるために、①何が起こっているのか、②それについて自分はどう感じているのか、③どのような具体的変化を望むのか、という3つのステップが紹介されていました。①~③はどれも必要不可欠なもので、①は目の前の問題を正確に汲み取ることで、②は自分の感情を率直に素直に伝えることが大切であると説かれていました。③はその問題を自身と相手でどのように対処していくのか事前に自身で考えを持つことが大切であると書かれていました。この他、話す場所や時間・タイミングを考慮する、話題は1つに絞る、大きな問題ならば小さなものから少しずつ取り組んでいく、話すタイミングを先延ばしにしない、話を始めた側が話を終わらせる、など話す上で当たり前のことだと感じつつ自分ではできていないことを改めて認識しました。

 この本を読んで私が特に感じたことは①~③のステップの内、自分は①と特に③ができていない、と痛感したことです。これまでの妻との生活を振り返ると、私は相手の感情・気持ちを理解することができないため、目の前の問題を正確に理解できていないのではと感じました。そして、③に関しては①を理解できていないこともあり解決策や対処方法など全く思い浮かばず、相手に任せきりという状態でした。②に関しても、自分の感情を率直に伝えるもののそれは、~がしたい、~が欲しい、という相手の状況や感情、自身の動機などが欠けた子供のような思考となっていました。

 アサーティブなコミュニケーションを成立させるためには①~③の全てのステップが必要不可欠とのことで、①: 目の前の問題に対する今の自分の理解は本当に正しいのかを疑い、②: 正しく問題認識できたときに自身の感情を探り、③: ①~②を踏まえて自身でどうしたいのか具体的対策を考える練習をし、相手を尊重したコミュニケーションに取り組んでいきたいと考えています。

終わりに

G.A.D.H.A(Gathering Against Doing Harm Again:ガドハ)は、大切にしたいはずのパートナーや仲間を傷つけたり、苦しめたりしてしまう「悪意のない加害者」が、人との関わりを学習するためのコミュニティサービスです。

当事者コミュニティの運営加害者変容理論の発信トレーニングなどを行い、大切な人のために変わりたいと願う「悪意のない加害者」に変容のきっかけを提供し、ケアのある社会の実現を目的としています。

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