「依存し続けたい」から変容するのはダメでしょうか。

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はじめに

本記事は、「変わりたい」と願う加害者の集まるGADHAのslackで交わされた3万通もののメッセージや、プログラム参加者によるGADHA理論への質問と回答をベースに作られた「よくある質問と回答」になります。

 

よくある質問

変容のモチベーションが、「パートナーをケアできるようになりたい」ではなく、「依存し続けたいから」だと気付いてしまいました。どうすれば依存性の克服ができるでしょうか?

 

回答

依存症を克服するためには、依存が起こる仕組みを理解しておくことが役立ちます。依存はストレスや不安を解消するために、特定の行動(アルコールや薬物など)を繰り返し、その使用量が増えていくことを指します。報酬によって心地よい経験ができたがゆえに、その回路が強化されていく脳の仕組みです。パートナーとの関係においても同様のメカニズムで説明ができるため、「報酬がなくなることを恐れて、見せかけの変容に取り組む」というケースも見られます。

しかし、この変容への取り組みは持続的でもなければ、変容効果も限定的です。なぜならば、変容のモチベーションが「パートナーへの依存」である限り、一方的なケアを求めている状態に変わりないからです。GADHAでは変容のモチベーションは究極的には自分のためであっても良いと考えます。その真意は「周囲の人を大切にして生き、結果として自分が幸福に生きられる関係を構築できるようになる」ということです。ここでの「自分のため」と、依存したいが故の「自分のため」には大きな違いがあります。

もしあなたが、相手を大切にしたいと思えないことに自覚的なのであれば、関係を終えた上で変容に取り組むことも1つです。それは悪いことでも間違っていることでもなく、あなた自身の気持ちを受け入れた上で、適切な関係性を構築していく第一歩になるでしょう。

 

おわりに

本記事は、あくまで「形式的な」知識です。実際に使ってみて、間違っていたら学び直すためには、GADHAのコミュニティ(無料)やイベント(無料)、プログラム(有料)に参加することを推奨します。ぜひこちらの「GADHAの活動」ページをご覧ください。「よくある質問と回答」コンテンツは一部の公開のみを行っていますが、マンスリーサポーター(MS)の方は全てにアクセスすることが可能です。また、MSの方が増えるほど、無償で公開する範囲を増やすことができます。コンテンツに関心のある方や、GADHAを応援してくださる方は、ぜひMS制度の詳細をご覧ください。

 

Key words: 依存の克服, 誰のための変容か, モチベーション